足元の戦争。

NIKEブランドができるまで

スポーツシューズのブランドと聞いて思い浮かぶのは、adidas、PUMA、asics、そしてNIKEあたりだと思います。この本は、NIKEの創業者の一人フィル・ナイトによる自伝です。

自分がNIKEを知ったのは、90年台のエアマックスあたりからです。別段スニーカーに興味があったわけではないですが、この靴は社会現象にまでなっているので、同年代で知らない人の方が少ないでしょう。この本に書かれているNIKEの歴史は、その前の60〜70年代が主です。NIKEが世界的ブランドになる前の、黎明期から成長期のことが主に書かれています。

NIKEといえば、ゴシック体の「NIKE」の文字と、ブーメランのようなロゴマークです。あのロゴマーク「スウッシュ」が生まれた時の話も載っています。

元々この本を読もうと思ったきっかけは、何かビジネス本を一冊読もうかなと思い、その時に評価が高かったものを選んだことでした。読み終わってみると、ビジネス本を読んだというよりは、引き込まれる物語を読んだという気持ちになりました。

対日本人

NIKEという会社が、これほど日本とゆかりがあるとは知りませんでした。フィル・ナイトは大学卒業後に日本に行き、そこで現asicsのオニツカと契約したとのこと。会社も無いのに契約を勝ち取ったハッタリは、ビル・ゲイツがBASICを開発する前に「開発した」とハッタリをかまして契約したエピソードを思い出しました(両方とも、今の時代では難しそうですが)。その後、オニツカから靴を輸入してはアメリカで売り、やがて独立していったそうです。

この前海外旅行に行った時、機内の広告でOnitsuka Tigerの広告を見ました。ちょうどこの本を読んでいる途中だったので、何か感慨深いものがあるというか、不思議な感じでした。

オニツカとは独立する際に対立し、裁判を起こしたとのことです。おそらく、日本に対しては特別な思いもありつつ、深くかかわったために憎しみもあったのでは無いかと思いました。オニツカの担当者に対しての記述は、愛憎入り混じるというよりは”憎”の方が強く出ていたように思いました。ビジネスで生き残るためには、必然的に出てくる感情なのかもしれませんが。

バットフェイス

創業から成長期までの歴史で、いろいろなエピソードが書かれていますが、特に好きなのがバットフェイスのエピソードです。経営陣の集まりの名前で、バットフェイスとは「ダメ男」という意味だそうです。

そんな名前を自分たちでつけて平気でいられるという雰囲気が、いいなあと思いました。メンバーに対する信頼と、ある意味自信や余裕がなければつけられない名前だと思います。自分の仕事でも、これくらいユーモアがあり、くだけた姿勢を持っていたいと思いました。

また、同じフィーリングを持った仲間と出会えたということが、素晴らしいことだと思いました。自分も含むこの本を手にとった人は、少なからずNIKE成功の秘訣を学びたいと思ったと思います。しかし、誰と出会うかということはある種の奇跡であり、奇跡は再現しないから奇跡なので、それをなぞることはできません。同じ方法で成功しようと思うのではなく、ピンチやチャンスでの姿勢や気の持ちようを参考にしたいと思いました。

靴バカ

タイトルの「SHOE DOG」とは、言うなれば「靴バカ」のような意味だそうです。この本に出てくるNIKEの関係者は、皆それぞれSHOE DOGだと思いました。自分の好きなものを仕事にし、仕事に情熱をもって打ち込めるのは、羨ましいなと思いました。

そして、自分は仕事で扱っているものに対して、そこまで情熱を持っているだろうかと考えてしまいました。そういう、この本を読んで受けた刺激を、仕事に対するやる気に変えていきたいです。

また、この本を読んでNIKEや他の靴ブランドの見方が変わりました。靴のラインナップを見ていると、その裏には歴史があるんだなとか、一足一足には作った人達の思いが込められているんだなと考えて楽しくなります。

関連書籍

ビジネス系の本で次に読もうと思っているのは、「GAFA」です。やたら平積みされていて目立つからというのもありますが、ちょっと立ち読みしたところ面白そうだったので。

あとは、asicsサイドから見たNIKEとの歴史について書かれたものがあれば、読んでみたいです。


memom

都内在住会社員。 物心ついた時から読書好き。 読んだ本を忘れない様につらつらと感想を書いていきます。

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