硬派写真論。

写真についての本

カメラを買うと、写真についての本が読みたくなるものです。自分も、買ったカメラについて特集している本や、写真の撮り方について解説した本を、ついつい買ってしまいます。いつかどこかで、写真論の名著と言えばこれ、みたいな触れ込みで紹介されているのを見て、買ったのがこの本でした。

写真について書かれた本の中では古典だったので、難しそうだなと思って読み始めました。案の定、書いてある内容は難しい方だったと思います。しかし、自分に理解しきれないという程では無かったので、予想(というか覚悟)していたよりかは、とっつきやすかったです。何にせよ、内容は真面目で硬派な写真論、という感じでした。今まで読んでいた軟派な(?)、写真の本とひと味違いました。まあ、目的が違うので、軟派な本も好きなんですが。

時代背景

この本が書かれたのは、1979年です。そのことは読んだ後で知ったのですが、自分が思っていたより、近代に書かれた本なんだなと思いました。先入観ですが、なんとなく写真の黎明期に書かれたのかな、と思って読んでいたからです。

ちなみに、写真というものは19世紀に発明されたとのこと。1979年くらいは、フィルムカメラがすでに成熟しきって、デジタルカメラが出始めた時代のようですね。写真の歴史について、詳しくは、Wikipediaを参照されると良いです。

カメラの語源なんて、考えたことも無かったですが、この本によると、「暗い部屋」を意味する「カメラ・オブスクラ」という言葉が元になっているそうです。多分、人が入れるくらい巨大なピンホールカメラの時代に、付けられた名前なのでしょうか。調べてみると、そうっぽいです。下記のページで原理がわかりやすく解説されています。

写真の真髄

今、いわゆるインスタ映えのする、きれいでドラマチックな写真が、一般には評価されがちです。自分もきれいで鮮やかな写真は好きなので、否定はしませんが、それだけが写真の良さでは無いとも思っています。この本はそんな、「一般的に興味を引く要素」がある一方、いわば「写真の真髄」とも言うべき内容について書かれています。

この本では、写真の持つ要素について、いくつか印象的な用語で説明しています。ラテン語を当てているようです。

  • ストゥディウム・・・ 写真に対する、一般的関心
  • プンクトゥム・・・ ストゥディウムを破壊し、写真を見る人を突き刺すもの

少し難しいですが、「プンクトゥム」の方は、写真を見て、はっとさせられる要素と捉えました。プンクトゥムを感ずるには、写真に対する観察力と、感受性と、偶然が必要なのではないかなと思いました。写真の真髄というものがあるならば、それは恐らくプンクトゥムの方に宿っているのだと思います。

いわゆる「インスタ映え」する要素とは、ストゥディウムの方に当たるのではないかと思いました。自分が思う、それだけではない写真の「良さ」とは、プンクトゥムの方だと思います。一見平凡な写真でも、眺めていてふとした瞬間にプンクトゥムが現れるような写真に、魅力を感じます。

とすれば、旅行に行っていい景色を撮るのもいいけれど、日常の何気ない瞬間をカメラに収めるのも、意味のあることじゃないかと思いました。いつか、その写真を見たときに、プンクトゥムを見つけるかもしれません。

カテゴリー: 本の感想

memom

都内在住会社員。 物心ついた時から読書好き。 読んだ本を忘れない様につらつらと感想を書いていきます。

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