筒井康隆ワールド34連発。

筒井康隆の作品

筒井康隆さんの作品を初めて読んだのは、「鬼譚」というアンソロジーでした。これは、夢枕獏さんが、鬼に関する話を集めた本です。その中の話の一つに、筒井康隆さんの「死にかた」という作品が入っていました。オフィスに突然鬼が現れて、金棒で片っ端から撲殺するという話です。内容だけ書くとグロいですが、読んでいる時にはグロさを感じず、ある種の爽快感すら感じました。

それまで筒井康隆さんについて、なんとなく小難しそうな印象(どこでついた印象か分かりませんが)を持っていたのですが、こんなにも破天荒で自由な作品を書く人なんだとびっくりしました。この話がとても印象に残り、筒井康隆さんの作品を、もっと読みたいと思うようになりました。そして話題になっていた「旅のラゴス」を読み、この「笑うな」を読みました。「旅のラゴス」の感想は、いずれ書きたいと思います。

ちょっとブラック

全体的には、ちょっとブラックな話が多いかと思います。しかし、このブラックな刺激こそ、筒井作品の醍醐味だと思います。読んでいて不快な気分にはならず、むしろ、どこでブラックな内容が入ってくるのかと、期待しながら読んでいました。自分はそもそも、「死にかた」のブラックさを期待していたので、気にならないだけかもしれませんが。

自分は、作品にブラックさのような刺激が入っていた方が、作者の余裕みたいのが感じられて好きですね。ちょっとダラっと力を抜いて、自由に書いている感じを受けます。もちろん実際は、かなり苦労されて作り上げているのだと思います。

SFのショートショートと言えば、星新一が有名ですが、星新一さんの作品も、ブラックなのが結構ありますね。星新一さんも、筒井康隆さんも、ブラックの中に必ずユーモアが入っていると思います。

印象に残った話

この本には、34編のショートショートが載っています。特に自分が印象に残ったのは、「笑うな」、「最初の混線」、「正義」、「セクション」、「接着剤」、「マイ・ホーム」あたりでした。

「笑うな」は、タイムマシンでついさっきに行くという、発想が面白かったです。

「最初の混線」も時間もので、最後のオチでタイトルの意味が回収されるのが、気持ちいいです。

「正義」は、なんとなく星新一作品の雰囲気を感じました。スパッと短い中で、しっかり話が落ちています。

「セクション」は、最後の場面の瞬間を想像すると、ゾクッとしました。

「接着剤」は、オチが結局、接着剤会社のアピールになっていて、結果オーライ感がいいなあと思いました。

「マイ・ホーム」は、単純に羨ましいのと、本当に起こったらこう考えるだろうか、とちょっと思ってしまいました(あるわけないですが)。

ショートショートという形式

自分は、短編とかショートショートは結構好きです。短い中で、作者の魅力が詰まっているからです。また、同じ作者が色んな作品を書いて、作者の持つ”幅”みたいのが見えるのも良いと思っています。1冊で作者の”幅”が味わえることに、ちょっとお得感を感じます。

ウィキペディアの解説を読むと、結構知らなかった作者も居るなと思いました。

川端康成も書いていたとは、知らなかったです。「掌の小説」は是非読んでみたいです。

星新一のイメージが強いですが、やはりSFが多いようですね。アイデア勝負なところがありそうなので、様々な形のアイデアを活かしやすい、SFと相性がいいのでしょうか。

関連書籍

筒井康隆さんの作品で1番有名なのは、「時をかける少女」になるでしょうか。映画が有名ですが、自分は一回も見たことありません。せっかくなので、原作は読んでおきたいと思います。

ちょっと前にアメトーークで紹介された、「残像に口紅を」も読んでおきたいです。本屋でちら見したので知っていますが、仕掛けが面白そう。


memom

都内在住会社員。 物心ついた時から読書好き。 読んだ本を忘れない様につらつらと感想を書いていきます。

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