現役デザイナー思考。

寄藤文平さんについて

寄藤文平さんと言えば、「大人たばこ養成講座」のイラストレーターと聞けば、ピンとくるのではないでしょうか。少し気の抜けた様な、シンプルだけど、分かりやすくて印象に残るイラストを描かれていると思います。寄藤文平さんの本は、「絵と言葉の一研究」を読んでとても面白かったのを覚えています。デザインの仕事について、真剣に考えられているのだなと思いました。なので、この寄藤さんの新しい本を本屋で見た時、すぐに手を伸ばしました。

デザインの仕事

この本は、寄藤さんがデザインを学校で学んで、仕事で食べていくまでのこと、デザイン業界の変化のこと、アイディアを形にすること、ブックデザインの仕事のこと、最後にデザインの仕事を続けていくことについて書かれています。「デザインの仕事」と一口に言っても、イラストレーターとしてだったり、本の装丁を考えたりと幅広いのですね。自分は製品開発の仕事をしていますが、仕事を始めたばかりの時は、あれもこれもやるのかいと思った記憶があります。もちろん自分がやっていることのレベルとは、違う話なのだと思いますが、どの業界でも同じなのかもしれません。

デザイン業界の変化

デザイン業界の変化についての事が面白かったです。デザインの中心が、ビジュアルからストーリーにシフトして行ったのだそう。この話を読んでから、街の中の広告にストーリーがあるのかを意識して見るようになりました。そうすると、確かにストーリーを重視して作られているのかなという広告が多いような気がします。そういう目で見ているだけなのかも知れませんが。何か一枚のポスターがあるとして、そのポスターの時系列的な前後を感じさせるような作りを意識しているものが多いような気がします。ビジュアルは確かに、シンプルなものの方が多いかも。こういう、街の中でよく見かけるようなもののデザインも、トレンドがある事を意識して観察してみると面白いですね。

ストーリーというキーワードは、自分の開発の仕事の中でもよく言われます。インスタグラムの機能でもストーリーというものがある様です。デザイン業界に限らず、トレンドとなっているキーワードなのかもしれません。

また、ビジネスの世界では「デザイン思考」なんて言葉もありますね。ビジネスにおいてデザイナー的に考えることだそう。今、「デザイン思考が世界を変える」という本も読んでいるところです。感想をまたのちほど、書きたいと思います。よく考えたら、デザイナー的に考えるということであれば、この寄藤さんの本を読むことでデザイン思考を学んでいることになりますね。

ブックデザインの装丁

ブックデザインの装丁についての事も面白かった。本の業界は、ジリジリと電子書籍が幅を広げつつあると思います。その中で、本の装丁というのは紙の本ならではの要素があるのでは無いかと思っています。本屋で平積みにされていた時、手が伸びるような装丁であるかどうかというのは結構重要な気がします。電子書籍でも、表紙の装丁は大事だと思いますが、「物理的な物としての本」である時の方が、装丁が重要になってくるのではないでしょうか。

とすると、電子書籍に大半が取って代わられた時、装丁にかけるコストは削減されるのでは無いかと心配になります。自分は本屋さんで本の装丁を見るのが好きだし、買った本を並べてインテリア的に楽しむのも好きなので、装丁のクオリティというものは、これからも上がっていって欲しいと願っています。

さいごに

この本の帯に、こんなメッセージが書いてありました。

デザインの教科書ではなく、考えるための資料に使ってほしいです。(寄藤文平)

今、感想を書くために手に取っていますが、何か考えるヒントを探している時、この本を思い出して手に取りたいと思います。あと、ypadも買ってみようかな。

カテゴリー: 本の感想

memom

都内在住会社員。 物心ついた時から読書好き。 読んだ本を忘れない様につらつらと感想を書いていきます。

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