※アイキャッチが碁石ですが、碁の話ではありません。

アルゴリズムと物語の高度な融合。

すごい本

この本出たての頃に読んだのですが、この作者天才だよねと思いました。学習用に物語に乗せて数学の理論を紹介していく様な本は沢山ありますが、この本は次元が違うと思います。物語の中で理論が必然であるかのように存在し、物語をより引き立てる。それでいて理論の肝は余すところなく説明されている。この本は学習用ではなく、新たなカテゴリーを切り開いてすらいると思います。

魔法の使い方

この物語の中では魔法がオートマトン等の理論的な手順を踏んで発現します。SF作家アーサー・C・クラークが言った、「高度に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない」という言葉を思い出しました。魔法と言うと、某ハリーポッター的な「魔法の杖かざして呪文唱えてドーン」が定番ですが、それに比べると随分と面倒な手続きを経る必要があります。でも、魔法使いもこういう苦労をして魔法を使っているんだなと、妙に納得しました。あまり万能過ぎるとズルい気がしますし。

物語

物語の内容は結構シリアスになってますね。こういう本だと「理論を説明する」のと「物語を伝える」のとどっちかは中途半端になりがちです(ほとんどは物語の方が)。しかし、この本は物語がしっかり練られてあって、物語単体でも面白い。主人公ガレットの成長がしっかり描写されていて、最後に師匠に認められるのも見ていて嬉しくなります。魔法とかこの世界の設定も細かく、本当に物語の方も読者に伝えたいんだなという事が分かります。

作者の経歴

ここまで素晴らしいと、作者の経歴が気になります。言語学、自然言語処理が専門の研究者だそう。本を出版するのはこの本が初めてだそうですが、この物語の熟練度はとても初めてとは思えませんでした。元々文学部の出身だそうで、そういうところで磨かれたんでしょうか。

さいごに

人工知能が注目される昨今、扱っている題材も時代にマッチしていると思います。自分の中では、この人は時代の寵児と言ってもいいんじゃないかと思いました。作者の本はこのあと「精霊の箱」、「働きたくないイタチと言葉がわかるロボット」と読みました。こちらの本も素晴らしいのでまた感想を書きたいです。最新刊の「自動人形の城」も読みたい。


memom

都内在住会社員。 物心ついた時から読書好き。 読んだ本を忘れない様につらつらと感想を書いていきます。

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