金庫破りの青春。

「暗号解読」の感想を考えている時に、金庫破りのイメージが出てきて、この本の事を思い出しました。確か本屋で「ミステリ部門○位!」みたいな帯が付いていたので手に取った本。この作者の作品はこの後に「氷の闇を越えて」を読みました。これも投稿が前後してますが、感想はこちら

ミステリ成分は犯罪者に金庫破りとしての活動に含まれています。ピッキングをするシーンの臨場感、緊迫感にハラハラさせられます。電子金庫を開ける場面、工夫は結構ありがちなのかもしれないけど、このタイミングで電子金庫が出て来るのは読んでて意外と盲点だったのかなと思いました。それまで散々メカニカルな錠しか出てこないので。

ポケベルとかちょっとだけ時代を感じさせるアイテムだと思いました。というか当たり前だけど海外にもポケベルあったんですよね。日本みたいな流行り方をしたんだろうか。

この本に魅力を感じたのは、ミステリ成分よりも青春小説としてでした。アメリアとのまっすぐな恋に対して、犯罪に堕ちていくところは青春の葛藤って感じです。青くて恥ずかしくなるくらい。なんというか、十代のまっすぐだけど頼りない感じが上手く表されている気がするんですよね。多分、主人公が喋れないせいだと思います。そのおかげで、主人公の内気な感じが表されているとともに、内面が物語の登場人物には伝わらないけど読んでいる読者だけが分かっているような気がして、主人公に共感できるんじゃないかと思う。

あと、主人公が金庫破りの技術といういけないけど憧れる技術に特化しているのも良いのだと思います。ちょっと中二病心をくすぐる感じ。安易ですが。

大人も楽しめますが、十代の若者はよりワクワクして読めるのでは無いだろうか。本は出会うタイミングによって感じ方、解釈、得るものが変わると思います。十代の自分が読んでいたら、何を感じただろう。自分が十代の時に出会った本で、青春ものの成分があるやつで好きなのは、ローズマリー・サトクリフの「はるかスコットランドの丘を越えて」です。と、書いておきながら実は全部読めていないので、いずれ読みたい。

 


memom

都内在住会社員。 物心ついた時から読書好き。 読んだ本を忘れない様につらつらと感想を書いていきます。

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