飛行機の影。

スゴい本

この小説もすごい。今まで読んだ中のベストを挙げるとしたらこれかもしれない。元々某スゴ本さんで紹介されていたのをきっかけに、これもだいぶ前に読んだ本。あのブログが紹介するスゴ本に外れなし。

(自分の稚拙な文章より、むしろこっちの方を読んで欲しい)

妥協なき計画

米軍の戦闘機を使って旅客機をハイジャックする話。これだけ聞くと荒唐無稽なB級感が漂うが、戦闘機の準備、身代金の受け渡し、逃げるところから後始末まで、全て具体的な計画に従って実行していく。この通りにやったら本当にできてしまうんじゃないか思わせるくらい説得力がある。ジャンル的にミステリになっているが、なるほど緻密な計画が実行されて行く様は推理小説のそれの様でした。

ここまで規模の大きな話にすると、どこかで無理が生じて「そこは許して」な感じになるけど、この小説はそこらへんを妥協しないで描ききってみせている。作者の挑戦と強い意志に脱帽です。断っておきますが自分は矛盾を許容して進む話も嫌いではなくて、それぞれの作品ごとに違った長所に着目して楽しむのが良いと思っています。

作者について

斬新な着眼点とそれを計画的犯行として実現せしめる作者の技術が詰まった至極の一冊だと思う。調べてみるとこの作者はこの作品しか出していない様子。他の作品も出していたら読んでみたいと思ったが残念。作者は長年新聞記者として働いていたのだそう。この小説が唯一の作品だが、それまでは新聞記事を書いて生活していたのだから、そこで培った文章力が活かされているのだろう。物語も、扱った記事の中から着想を得たのかもしれない。フィクションといえども、結局は作者の実体験が反映されるものだと思う。良い文章を書くには、多くの体験をすべし。

これだけ面白い話なのだから、映画にしてもいいのになあと思った。もしやるのであれば、派手な場面は要らないから、原作さながらの緻密で渋い感じで作ってほしいです。


memom

都内在住会社員。 物心ついた時から読書好き。 読んだ本を忘れない様につらつらと感想を書いていきます。

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