きれいな地獄。

監視社会SF

今、小川哲さんの「ゲームの王国」を読んでいる。そういえば「ユートロニカのこちら側」の感想を書いていなかったと気がついた。「ユートロニカ」を読んだのは結構前だが、思い出しつつ感想を書いてみようと思う。

正直に言うと話の雰囲気はあまり好きでは無かった。それは扱っている題材が題材なだけにしかたなくて、ちょっと暗めの未来を暗示しているので、読んでいて不安になったからだと思う。ユートピアを目指した結果、監視社会で生きづらい世の中になって、苦しむ人間の姿が描かれている。たぶんこの感想は、作者にとってはしてやったりなんだろう。

この本を読んでいると、これからの社会のあるべき姿なんて小難しいことをついつい考えてしまう。数字の上では上手く回っているようにみえるけど、人間の心は追い詰められているって怖いなあと思った。仕組みやツールはあくまで手段で、手段が目的と化した時に良くないことが起こるってことなんじゃないか。

小川哲さんの本

話の内容や設定は面白かった。今やありがちな設定なのかもしれないけど、完成度は高いんじゃないかと思った。作者はこの時新人だったみたいだけど、腕があることが伝わってきた。今読んでいる「ゲームの王国」も完成度高くて読み応えある。でもやっぱり題材がちょっと辛めなので、自分の場合はちょっと構えて読んでしまう。この作者の、軽い題材の本もいつか読んでみたいなあ。話の上手さそのままに一般受けする題材を扱ったら、結構ブレイクするんじゃないかと思う。もしそうなったら、失礼にも「丸くなったなあ」なんて思っちゃうんだろうか。これからの作品も要チェックします。

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memom

都内在住会社員。 物心ついた時から読書好き。 読んだ本を忘れない様につらつらと感想を書いていきます。

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