月の独立戦争。

ハインラインの長編小説で最も有名っぽいので読んでみた本。Kindleで読んだ。

お話は月世界人vs地球で、独立したい月側とそんなことは許さない地球側の争い。主人公は月側の人間。

主人公は物語の冒頭で人工知能のマイクという相棒を得る。このマイクが超万能で、地球の支配から独立したい主人公勢は、マイクの力を活用して難なく月側の支配権を地球側から奪還してしまう。このマイクは月世界の通信を支配できるので、相手が可哀想なくらい無敵に感じる。

月を掌握したら今度は地球側に独立を認めさせて、対等な立場を築こうとする。最初は地球に行って話し合いで交渉するが、決裂した(させた?)ので月に帰ってから武力衝突することになる。

月からの攻撃は月の岩石を射出して地球に落下させる方法で行う。この弾道計算もマイクがやってくれる。ここでもマイクの無敵っぷりが発揮されている。地球側にも優秀なAIが居そうなものだと思ってしまうのは無粋な話か。

独立戦争と政治の話に夢中になるのは、何となくアメリカっぽいと思った。実際にハインラインの著書の中で日本では「夏への扉」が一番有名だが、アメリカではこの「月は無慈悲な夜の女王」が一番有名らしい話を聞いたことがある。

私はこの2冊を比べるなら本書の方が面白いと思った。理由はSFとして単純に規模の大きな話が好きだからだ。この2冊に共通しているところは、どちらの話も主人公側が優秀でピンチらしいピンチが無いことだと思った。ピンチな場面が無いわけではないが、なんとかしてくれるんだろうと思ってしまう。まあそこらへんはサクサクっと進めてくれたほうが読み易いとは思う。

今は第3次AIブームだが、AIについて知るほどマイクみたいな万能型のAIは難しいという事が分かってくる。それでも人が求めるのは、マイクの様な古くからのSFに出てきたAIなんだろう。

そろそろKindleにも慣れてきて、紙の本より快適に読めるようになってきた。最初はKindleで読むのが少ししんどいなと思っていたが、慣れると重さも無いので良い。テクノロジーに人間の感覚の方を慣らさなければいけないのは少し矛盾している気もするが、人の歴史の中で今に始まった事ではないので甘んじて受け入れよう。環境の変化を自ら作り出してそれに適応する能力を試すとは、他の動物から見ると何やってるんだと思うのかもしれない。


memom

都内在住会社員。 物心ついた時から読書好き。 読んだ本を忘れない様につらつらと感想を書いていきます。

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