人間VSエイリアンVS機械VS人間

地球に侵攻してきたエイリアンに対抗するため、高度な電子兵装を備えた戦闘機で闘うSF。”ジャム”と呼ばれるエイリアンも、人間と同じような技術水準の兵器を持っていて、戦力が拮抗している中で戦っている。

作中の人物は、この戦争には人間は必要なのか?と問いかけ、それがこの作品のテーマの一つにもなっている。ちょうど今世の中AIブームで、高度な人工知能と人間との将来的な関係について様々な議論が交わされているが、そんな時期に読むにはタイムリーなテーマだと思う。

人間がおいてけぼりになってしまうような時代は来るんだろうか。「おいてけぼり」という危機的な感覚を持ってしまうのは、人間が色々な事を支配しているという意識があるからだと思う。まして、人間が作り出した機械を支配しきれなくなるという事は認めがたいだろう。生命の危険に晒されるような事態は避けなければいけないが、そうで無ければ機械しか感知できないようなところは機械にコントロールを任せてしまっても良いのではないかと思う。そもそも、今も人間が全てを把握しきれているかどうか怪しいものだ。今まで「思考の世界」は人間だけの世界だと思っていたが、機械の思考する領域というものを定義して割り切ってしまっても良いのではないか。

戦闘の描写はスピード感に溢れ、手に汗握ってのめり込んで読んだ。戦場の情報やパイロットの操作が専門用語の連続で描写されるのに最初は戸惑ったが、慣れると戦場の硬派な感じが伝わってきて良いと思った。巻末の概説の充実度から、作者が緻密な設定を構築して書いているというのが分かる。本当に存在するものとして頭の中にあって書いているんだろうなと思う。

ジャムとは何者か、この戦争の行く末がどうなっていくのかは、続編がまだ2冊あるので読むのを楽しみにしている。続編があるのは知っていたが、何故か1冊目の続きをやるとは思っていなかった。主人公が代わるなどするのかなと思っていたので、1冊目の最後で主人公は死んだものと思ってしまった。2冊めの最初をチラ見して「生きてるんかい」と思ったが、主人公は結構好きなのでラッキーだと思って読みたい。


memom

都内在住会社員。 物心ついた時から読書好き。 読んだ本を忘れない様につらつらと感想を書いていきます。

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