思考の理想像。

シャーロック・ホームズという思考の超人を教科書にして、頭の使い方、心構えを心理学の観点から解説していく。

この本に書いてある心理学の解説はホームズを抜きにしてもできるが、そこにホームズという分かりやすいお手本を引き合いに出していることで、格段にとっかかりやすくなっている。普通の人の考え=ワトスンやレストレード、優れた思考法=ホームズという対比が分かりやすい。実践も、ホームズをイメージすることでスムーズに行える助けになるような気がする。

自分はシャーロック・ホームズシリーズが好きだったので短編・長編全ての話を読んでからこの本を読んだが、読んだことがない人でも理解できるし楽しめる内容だと思う。でもやっぱり原作を読んでから読むのをおすすめしたい本。お気に入りのエピソードが出てくると嬉しくなる。シルバー・ブレイズ号事件が取り上げられたのが嬉しくて、久しぶりに原作を引っ張りだして読んだ。

この本で解説されている思考術のキモの一つは、バイアスをかけないことだと思った。偏らずフラットな見方で物事を見ること。先入観というものは厄介なもので、それを取り払うのには苦痛が伴う。しかし、思考の達人ホームズは長年の訓練と経験によっていとも簡単にそれを取り払ってしまう。フィクションの超人のなせる技で、その超人的な頭脳に世界中のファンは魅せられる。

ワトスンが引き合いに出されて、引き立て役になってしまっているのが少し可哀想だと思ったが、これもワトスンの宿命だろう。他人事ながら、むしろ美味しい役だと思って受け入れてもらいたいなと思った。

カテゴリー: 本の感想

memom

都内在住会社員。 物心ついた時から読書好き。 読んだ本を忘れない様につらつらと感想を書いていきます。

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