小さなものから大きなものまで。
京都の恵文社に行った時に、一冊くらい買って帰ろうと思って色々眺めた結果、最終的に選んで買った本。確か国語の教科書か現文の問題かなんかで少しだけ読んだ記憶がある。
読む前は時間についての話が多いのかなと思っていたが、時間の話は一部分で、行動範囲や移動手段など、様々な項目と身体のサイズの関係についての生物学的な説明が載った本だった。動物のサイズと身体のデザインとの関係には法則があって、必然的にそのデザインに進化したという事には生命の神秘を感じた。世の中には色々な種類の動物が居るが、それぞれの環境で機能するための必然のデザインになっているのは凄い事だと思う。実際には機能するものだけが残った結果だとは思うが、色々な物を生み出し変化を繰り返す生物の力は凄い。
自然の力の凄さを見せられると、今度はそれを人間の力で実現出来ないかと思ってしまう。多分人間の社会の中でも同じような事が起こっていて、例えば製品は絶え間なく生み出されては変化を繰り返している。それは誰か一人の恣意的な力で起こしているというより、人間の社会そのものが生み出しているのだと思う。
どんな生き物にもその身体を選んだ事情があるんだなあとか、この生き物の身体にはこんな凄い機能があるんだとか、生き物の見方が少し変わるきっかけになるような本だと思った。
生き物によってそれぞれの世界があるという内容に関連した本で、「生物から見た世界」も読んでみたい。